これまでひざのトラブルは女性の方が多いと言われてきました。40代から70代の男女400人を対象とした調査では、痛みはなくてもひざに音や違和感を感じている割合は40代の男性が最も高く、男性も女性同様にひざのトラブルで悩んでいることが分かりました。
膝軟骨の状態の変化に伴う3段階の 「ひざ音」
ひざトラブルに気付くきっかけとなるひざの音。全国からひざの痛みを抱える患者を受け入れているひざの専門医によると、「ひざ音」は膝軟骨の状態の変化に伴い3段階に大別されるそうです。
「正常な膝軟骨は関節液に浸っているため、摩擦抵抗が少ない状態です。加齢などが原因で膝軟骨の水分量が減ると摩擦で抵抗が大きくなり、動くと『ポキポキ・ギシギシ』と音がするようになります。
さらに膝軟骨のすり減りが進むと、関節の表面がつるつるになるため、逆に音を感じにくくなります。そこで放置しておくと、膝音が『ゴリゴリ・ザラザラ』に変わり、痛みも強く感じるようになってきます。
つまり、最初にひざ音を感じたときがケアを始めるタイミングといえるでしょう」
さらに米国の調査研究では、膝関節が鳴る頻度が高いほど変形性膝関節症である確率が高いことが示されています。そして変形性膝関節症は、サルコペニア、骨粗鬆症や認知症とも関連性が高いため、ひざ音は重症化前のアラートでもあると言えます。
ひざから音を感じたら、まずは日常生活を見直すべきでしょう。ひざ周辺の筋肉が衰えてしまえば、日常生活でひざに負担をかけてしまうため、足の筋肉を鍛えるストレッチがおすすめです。
「関節を守るためには周囲の筋肉が必要です。個人差はありますが40歳前後から徐々に筋肉量の減少傾向が見られます。高齢者になると、1年で5%以上の減少率にもなるのです。ひざに過度な負担をかけないで、ひざ周辺の筋力を鍛えてあげましょう」